空き家数の推移と種類別内訳

総務省の住宅・土地統計調査によれば、空き家の総数は、この20年で1.8倍(448万戸→820万戸)に増加しています。

空き家というと、誰も住まなくなって朽ち果てた一戸建てを思い浮かべるかもしれません。

しかし空き家の種類はそれだけではありません。

空き家の種類

  • 賃貸用の住宅
  • 売却用の住宅
  • 二次的住宅
  • その他の住宅

賃貸用の住宅

賃貸用の住宅で借り手がいなくて空室になっているものです。総務省の「平成30年住宅・土地統計調査特別集計」によると、空き家全体の50.9%を占めています。

売却用の住宅

新築か中古かに関わらず、売り出しているけれども売れていない住宅です。集計によると、空き家全体から見て3.5%の割合です。

二次的住宅

常時住むわけではない住宅です。主に別荘をイメージしていただければ大丈夫です。空き家全体の4.5%の割合です。

その他の住宅

賃貸用の住宅、売却用の住宅、二次的住宅以外の人が住んでいない住宅を「その他住宅」と分類しています。長期不在になっている住宅(転勤・介護等の理由)や、実家の両親が亡くなってしまって放置されているような住宅です。空き家全体の41.1%を占めていて、近年最も増加傾向にあります。

近年問題になっているのが、この「その他の住宅」の空き家率と数です。

数で言うと、「その他の住宅」は318万戸。そのうち最も多いのが木造一戸建ての220万戸です。

空き家を所有することになった理由

空き家を所有することになった理由は、相続が半数以上を占めています。

それを空き家のままにしておく理由は次の通りです。

空き家にしておく理由(複数回答)
(出典)平成26年空家実態調査

中古戸建てを買う人が少ないから3.9%
戸建てを借りる人が少ないから5.6%
満足できる家賃が取れそうにないから7.4%
資産として保有しておきたいから10.0%
道路付けや交通の便が悪いから10.2%
満足できる価格で売れそうにないから13.4%
労力や手間をかけたくないから16.7%
他人に貸すことに不安があるから20.6%
リフォーム費用をかけたくないから20.6%
古い、狭いなど住宅の質が低いから23.4%
取り壊すと固定資産税が高くなるから25.8%
さら地にしても使い道がないから31.9%
仏壇など捨てられないものがあるから32.8%
好きなときに利用や処分ができなくなるから33.0%
将来、自分や親族が使うかもしれないから36.4%
特に困っていないから37.7%
解体費用をかけたくないから39.9%
物置として必要だから44.9%
https://www.mlit.go.jp/common/001172930.pdf

都道府県別空き家率