相続した実家の空き家を処分したい方に3つの方法を提案します。
住宅の状態が悪かったり、立地が悪いと、仲介売買も賃貸も難しいケースがあります。
そんなときは次の3つの方法を検討してみてください。
2.駐車場にする
3.寄付する
それぞれ解説していきます。
1.不動産買取業者に依頼する
売りにくい空き家でも不動産買取業者に依頼すると、手間暇かけずに処分することができる場合があります。
ただし、高く売れることはありません。
相場よりも相当低い価格になるでしょう。
もちろんどんな不動産でも買い取ってもらえるわけではありません。
しかしかなりの修繕・リフォームが必要な場合であっても、買取なら処分できる可能性が高まります。
買取というのは、不動産買取業者がリスクを負って住宅という商品を仕入れる行為です。
ですから、買取業者としては少しでも低い価格で買い取って、高く売って利益を最大化したいと考えます。
つまり、土地建物の欠陥を並べて、できるだけ安く買い取ろうとします。
確かに売りにくい空き家であれば、その指摘の多くは事実なのですが、それでも業者の言うことを鵜呑みにすることはありません。
数社に見積もりを依頼して納得できる価格で買い取ってもらいましょう。
2.駐車場にする
最も一般的な対策が駐車場にするということかもしれません。
解体費用以外の投資が少なくてすむのもメリットです。
ここのところ全国的に増えている空き家活用法です。
しかし、考えなくてはならないのは、建物の解体に見合った収入を得ることができるかどうかです。
標準的な住宅の敷地面積を60坪として、正方形の敷地で考えたとき、駐車できる台数は8台程度になります。
仮に駐車料金を1ヵ月5000円としましょう。
月に4万円、年間で48万円の収入です。
ここから維持費や固定資産税が経費としてかかります。
一方、駐車場にするためには、初期費用として、住宅の解体費用がかかります。
敷地60坪であれば、建物は40坪ほどでしょうか。
40坪木造の建物を解体するには、160~200万円の費用がかかります。
建物の解体費用について詳しくはこちら
さらに、樹木の処分費、整地費用などもかかります。
そうすると、駐車場にしてずっと満車だったとしても、投資回収には5~6年はかかるでしょう。
立地が悪ければ、ずっと満車をキープするのも難しいかもしれません。
そうなれば、回収までの期間はもっと長くなります。
駐車場として利用するのが有効なケース
狭小地にある空き家の場合は、駐車場として利用するのが有効かもしれません。
現在の建築基準法では「建築物の敷地は4メートル以上の幅の道路(建築基準法で規定される道路)に2メートル以上接していなくてはならない」という接道義務があります。
接道義務を満たしていない土地は、住宅の建て替えができません。
古い市街地などにある狭小地では、この基準を満たしていない住宅は少なくありません。
現在の建築基準法以前の建物には適用されないからです。
建て替えができないので、住宅用地としての価値はありません。
しかし、狭い土地に住宅が並ぶような立地では、駐車場利用者を確保しやすくなります。
最終的には不動産会社や税理士など専門家と相談するべきですが、駐車場にするというのは、売りにくい空き家を処分する方法として有効です。
3.寄付する
最後は寄付するという方法です。
寄付するといっても、自治体は空き家の寄付を受付てくれることはありません。
下記の記事で解説しています。
特定郵便局などの公共施設に寄付する
ただし、ひとつだけ可能性があるのが、相続した空き家が公共施設の周辺にある場合です。
例えば郵便局など。
敷地が狭い郵便局は、職員の駐車スペースが不足していることがあります。
住宅地などにある小規模な特定郵便局は、自営業のような性格を持っている場合がありますので、局長の判断で決められることもあります。
宗教法人に寄付する
神社やお寺など宗教法人に寄付するのもひとつの方法です。
宗教法人は境内地などが非課税なので、隣接地であれば寄付を受けてくれる可能性はあります。
特に駐車場として使える場合は、宗教法人にもメリットがありますので、交渉してみる価値はあります。
その他、医療法人、社会福祉法人、学校法人も、固定資産税の優遇が受けられる団体です。
これら法人も従業員の駐車場を増やしたいと考えているかもしれません。
寄付を受けてくれる可能性はあるので、交渉してみましょう。
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