不動産の個人売買って大丈夫?考えられる3つのリスクと注意点

不動産は、個人間で売買することもできます。法律上も問題はありません。

しかし、不動産の個人売買は、あらゆるリスクと隣り合わせだということを認識しておかなければなりません。

目次

不動産の個人売買とは?

不動産の個人売買とは、不動産会社を介さず、売主と買主だけで取引を行うことをいいます。

最大「売買金額×3%+6万円(税別)」の仲介手数料が不要になるため、個人で売買したいという方は少なくありません。

しかし、決して安くない仲介手数料を支払ってまで、ほとんどの方が不動産会社に仲介を依頼する理由を考えてみてください。不動産会社を介する最大の意義は、不動産売買におけるリスク回避にあります。

数千万円、数億円という高額な資産を取引するにあたり、万一、正当な理由で契約解除しても手付金が戻ってこなかったら?契約したのに所有権が移転できなかったら?引き渡しを受けた物件が不良品だったら?……仲介手数料額ではカバーできない金額が、水の泡になってしまう可能性があります。

ここからは、不動産の個人売買で考えられるリスクについて解説していきます。

不動産個人売買のリスク1.住宅ローンが通りにくい

まず1つ目のリスクは、買主の住宅ローンが通りにくいことです。

高額な不動産をキャッシュで購入できる人はなかなかおらず、融資が下りないことは、取引ができないことにも直結しかねない大きな問題だといえます。

個人売買で住宅ローンが通りにくい理由

住宅ローンは、収入や勤務形態、信用情報など借り入れる“個人”が審査対象になります。さらに加えて、物件情報契約状況についても必ず審査されます。

物件情報を審査する理由は、物件の担保性と適正価格の確認のためです。金融機関が住宅ローンを融資するのは、物件に対して。万一、債務者による返済が滞れば、該当物件を競売にかけて債権を回収しなければなりません。そのため、貸し出すお金に対して物件の価値は適正なのかを見極めるため、宅地建物取引士が作成した重要事項説明書で築年数や周辺エリアの状況、欠陥の有無、資産価値などを確認します。

また、契約状況を確認するのは、取引の安全性を見るためです。たとえば、売主や買主の素性がわからなかったり、夫婦や親子など近しい間柄の取引であったりすれば、融資金の不正利用や相続税・贈与税逃れが危惧されます。

金融機関は、少しでもリスクを感じる取引への融資はしません。プロを介さない個人売買は、宅地建物取引士が作成した契約書や重要事項説明書がないため、物件の評価や契約の安全性の審査で不利になってしまうのです。

不動産個人売買のリスク2.トラブルにつながりやすい

不動産会社を介さないということは、プロによる査定や物件調査、当事者の本人確認等がなされないということです。

このことにより、大きなトラブルにつながる可能性が高いといえます。

相場価格との差が大きければ贈与とみなされる可能性も

個人売買は、親族など近しい間柄の方々でされることが多いものです。親族間売買で多いのが、相場価格より安い金額での取引。「親子だから安くしてあげる」と良かれと思ってしたことだとしても、相場価格との乖離が大きければ、「一部を贈与した」とみなされる可能性があります。

たとえば、適正価格が2,000万円の物件を1,000万円で個人売買したとすれば、売主から買主に1,000万円贈与したとみなされるかもしれないということです。

贈与税は、基本的に年間基礎控除額110万円をのぞいた部分に課税されます。また「本来納税すべき贈与税を納税しなかった」「納税期限から遅れた」という場合には、加えて延滞税が課税されます。

「地面士詐欺」のようなことが起こらないとも言い切れない

数年前のことですが、大手ハウスメーカーが数十億円の被害にあった「地面士詐欺」といわれる事件がありました。地面士詐欺とは、本人確認書類を捏造し、売主を装って不動産取引を行うことです。

不動産のプロでさえ騙されてしまうということは、当事者しかいない個人売買では、詐欺等にあってしまうリスクは高いといえるでしょう。

万一のトラブルのときの保証制度もない

あまり知られていませんが、不動産会社に仲介してもらう場合には、不動産売買のトラブルを保証してもらえる制度があります。

不動産会社は、宅建業を営むにあたり、営業保証金を“供託所”に預け入れています。供託所の営業保証金は、不動産取引でトラブルにあった顧客の損害を補償するためのものです。

個人売買では、このような保証制度は一切ありません。

不動産個人売買のリスク3.手続きの不備が出やすい

不動産会社の仲介であれば、宅建士など不動産の専門家のみならず、登記の専門家である司法書士のサポートもワンストップで受けられます。

不動産取引では、所有権移転登記や住宅ローン借入時の抵当権設定登記、住宅ローン完済時の抵当権抹消登記など、取引の工程に合わせた登記が必要になります。

登記は自分で行うことも可能ですが、取得書類が多く複雑なため、手続きに不備がでてしまう可能性が高いといえるでしょう。不備があれば、何度も役所等に通わなければならないとともに、所有権が移転できないことや抵当権の設定・抹消が引き渡し時にできなかったことによるトラブルが発生する可能性も否めません。

不動産の個人売買のリスクを回避するための注意点

不動産の個人売買には、トラブルがつきものだといっても過言ではありません。リスクを回避するためには、次のことに注意して取引に臨むようにしましょう。

契約書・重要事項説明書は不動産会社に作成してもらう

個人売買の“住宅ローン審査が通りにくい”というリスクを回避するためには、契約書や重要事項説明書などの書類を不動産会社に作成してもらうことを検討しましょう。

不動産会社による「仲介」には、基本的に“販促活動”が伴います。しかし、すでに売主と買主が決まっている状況であれば、販促活動にかかる手間や費用が不要なので、仲介手数料より安く重要書類の作成を請け負ってくれる不動産会社もあります。

本人確認を徹底

個人売買では、第三者の不動産会社が介さないので、十分に本人確認されないケースも散見されます。パスポートや免許証のみならず、実印と印鑑証明の照合など、不動産取引には徹底した本人確認がもとめられます。

また登記情報と本人確認書類とを照らし合わせて、目の前の人が真の所有者なのかも確認するようにしましょう。「住所が違う」「苗字が違う」という場合には、住民票や戸籍謄本の提示まで求めて確認しなければなりません。

要所的にプロに依頼

個人売買においても、登記は司法書士に依頼することをおすすめします。所有権の移転や抵当権の抹消・設定は、物件引き渡しと同時に行わなければなりません。言い方は悪いのですが、“素人”がすべての登記と物件引き渡しを行うとすれば、なにかしらの不備が出てくる可能性が高いといえます。

不動産という高額な資産の取引において、「売買金額を振り込んだのに所有権が移転されない」「所有権は移転されたけど抵当権が抹消されていない」となれば、大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。

司法書士報酬は、登録免許税の実費の他に数万~数十万円かかります。しかし、登記情報は不動産の所有者や権利を証明する非常に重要なものです。個人売買だからこそ、重要な業務は要所的にプロに頼むことで、安全な取引ができます。

まとめ

不動産の個人売買は、法律上、問題ありません。しかし、それでも多くの人が不動産会社に仲介を依頼するのは、なにより「安心」と「安全」が欲しいからでしょう。

また、私たち不動産会社は、安心・安全のみならず、お客様の利益を最大化するべく仲介業務にあたらせていただいております。決して安くない仲介手数料を頂戴し、お客様の人生をも左右するお取引をサポートさせていただくのは、光栄なことであると同時に、正直なところプレッシャーもあります。このプレッシャーを“自信”に変えるべく、日々、専門性を磨き、サービス向上のために努めております。

弊社アーキ不動産は、岡山市の不動産流通に携わって30有余年。これからも、地域の皆様の身近な住まいの専門家なれるよう精進してまいります。

 

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