【実家じまいの費用 押さえるべき3つのポイント】

ポイント具体的な内容目安となる費用
基本費用の把握3LDKの標準的な実家じまい費用
(片付け・不用品処分・清掃)
35~50万円
※立地や荷物量により変動
追加費用の確認・特殊家電(エアコン等)の処分
・仏壇の供養
・庭の片付け・植木処分
プラス10~30万円
※仏壇供養は5~10万円
※エアコン1台4~5万円
費用削減の方法・閑散期(1~2月)に依頼
・3社以上から見積り取得
・自分でできる作業は自分で
標準価格から
20~30%削減可能
※作業分担で更に削減可

「実家じまいって50万円以上かかるの?」「業者に頼むべき?自分でできる?」
両親の介護をきっかけに実家じまいを経験して、最初の見積額に驚いた私。でも実は、準備と工夫次第で、かなり費用を抑えられることがわかりました。3LDKの実家で標準的に35~50万円かかる費用を、20~30%削減できた体験をもとに、実践的なアドバイスをまとめました。実家じまいのプロや体験者の声も集めて、ムダな出費を防ぐポイントを詳しく解説します。費用の相場から業者選び、家族との話し合いまで、必要な情報を網羅しているので、目次を見て必要なところから読んでみてください。

目次
  1. 実家じまいの費用相場|令和6年最新版!総額や内訳を徹底解説
    1. 間取り別の総額相場一覧|1LDK〜4LDKまで
    2. 地域別の料金差を比較|都市部と地方の違い
    3. 実家じまいの費用内訳と支払い時期
  2. 実家じまいの依頼先と費用比較|失敗しない業者選び
    1. 遺品整理業者に依頼する場合の費用相場
    2. 不用品回収業者に依頼する場合の費用相場
    3. 業者に依頼すべき作業と自分でできる作業の見極め方
  3. 実家じまいの費用を安くする方法|プロ直伝の節約術
    1. 費用を半額に抑える5つの具体策
    2. 自治体の補助金・助成金を活用した費用削減術
    3. 見積書の値引き交渉術と適正価格の見分け方
  4. 実家の処分方法別の費用比較|売却・解体・賃貸
    1. 実家を売却する場合の諸費用と手数料
    2. 実家を解体する場合の構造別費用相場
    3. 実家を賃貸活用する場合の初期費用と回収期間
  5. 実家じまいの作業工程と費用の発生タイミング
    1. 片付けから売却までの標準的な作業手順
    2. 各工程で発生する費用と支払い時期
    3. 予期せぬ追加費用が発生するケースと対策
  6. 空き家として維持する場合の年間費用
    1. 固定資産税や管理費など必須の維持費用
    2. 将来的な修繕費用の試算方法
    3. 実家じまいと維持費用の長期的な比較
  7. 実家じまいでトラブルを避けるポイント
    1. 要注意の業者の見分け方と高額請求の回避方法
    2. 家族間での費用分担を円滑に進めるコツ
    3. 相続と実家じまいを同時進行する際の注意点
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実家じまいの費用相場|令和6年最新版!総額や内訳を徹底解説

「実家じまいって、どのくらいの費用がかかるんだろう…」

きっと多くの方がそう考えているのではないでしょうか。親の介護施設入所をきっかけに、あるいは他界後に実家の整理を考え始めた方も多いと思います。

でも、実家じまいの費用って、なかなか人には聞きづらいものですよね。ここでは実家じまいのリアルな費用について、正直にお話ししていきます。

間取り別の総額相場一覧|1LDK〜4LDKまで

「うちの実家は3LDKなんだけど、いくらくらいかかるのかな?」

具体的な費用をお伝えする前に、まず知っておいていただきたいことがあります。実家じまいの費用は、間取りの広さだけでなく、家財道具の量や、依頼する地域によっても変わってきます。

とはいえ、目安となる相場はありますので、令和6年1月時点での一般的な費用をご紹介します。

間取り|費用総額|作業日数
1LDK|15~25万円|1日
2LDK|25~35万円|1~2日
3LDK|35~50万円|2~3日
4LDK|50~80万円|3~4日

先日、神奈川県で実家じまいをされた方の例をご紹介します。30年以上住んでいた3LDKの実家で、本棚がずらりと並び、食器棚も日用品でいっぱいだったそうです。

見積り内訳を見てみると、不用品回収に28万円、昔からついていたエアコンの処分に4万円、お掃除に8万円、仏壇の供養と処分に5万円。合計で45万円かかったとのことです。

地域別の料金差を比較|都市部と地方の違い

実は、同じ3LDKの実家じまいでも、地域によって費用が大きく違うんです。

都心に近い東京や神奈川、埼玉、千葉などの首都圏では、3LDKで35~50万円くらい。人件費が高いうえに、処分場まで遠いため、どうしても費用が高くなりがちです。

一方、県庁所在地クラスの地方都市なら、同じ条件で25~40万円程度。処分場も近いですし、人件費も首都圏ほど高くないので、その分安くなります。

もっと郊外や田舎だと20~35万円くらいで済むこともあります。ただし気を付けたいのが、業者さんの選択肢が少なかったり、交通の便が悪くて出張費がかかったりすることです。

実家じまいの費用内訳と支払い時期

「お金はいつ準備すればいいの?」という声もよく聞きます。

実家じまいのお金の動きは、大きく3つの段階に分かれます。

まず、作業が始まる前。見積りは基本的に無料ですが、遠方の場合は出張見積り料として1~3万円かかることも。契約が決まったら、見積額の1~3割を契約金として払うことが多いです。

次に作業中の支払い。不用品の回収費用、エアコンなどの特殊な家電の処分費用、お掃除の費用などを、作業が終わるごとにお支払いします。

最後に、すべての作業が終わった後。残りの費用を精算します。追加作業があった場合は、その分の費用も含めて計算します。

最近は現金払いだけでなく、分割払いやカード払いができる業者さんも増えてきました。私の経験では、見積り時に支払い方法の相談をすると、柔軟に対応してくれる業者さんが多いように感じます。

実家じまい、確かに費用はかかります。でも、実家を放っておくことで、将来もっと大きな負担になってしまうかもしれません。できるときに、できることから始めていくのがいいかもしれませんね。

実家じまいの依頼先と費用比較|失敗しない業者選び

実家じまいって、本当に悩みますよね。私も母の施設入所をきっかけに、実家の片付けをどうしようか、姉と何度も話し合いました。

一番気になるのが、「業者に頼むべきかな?」ということ。母の思い出の品も多いし、できれば丁寧に扱ってほしい。でも正直、費用も気になります。

きっと同じように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。実家じまいの経験者や業者さんから集めた情報をもとに、業者選びのポイントをお伝えします。

遺品整理業者に依頼する場合の費用相場

実は、遺品整理の業者さんって、けっこう費用に開きがあるんです。でも、安ければいいというものでもありません。

実家の近所の方から聞いた話が印象的でした。「最初は費用が気になって遺品整理の業者さんに頼むのを迷ったけど、お願いして本当に良かった」とのこと。遺品の一つひとつを丁寧に確認してくれて、思いがけず両親の結婚式の写真も見つかったそうです。

3LDKの標準的な費用の内訳:
作業費用:15~20万円くらい
人件費:1日2人で5~8万円くらい
特別な物の処分:3~10万円くらい
(良い状態の家具や電化製品は買い取ってもらえて、3~10万円くらい差し引かれます)

実際の請求額は、だいたい20~28万円くらいが一般的なようです。

不用品回収業者に依頼する場合の費用相場

「遺品整理は高いから、普通の不用品回収業者さんでいいかな」

そう考える方も多いと思います。確かに不用品回収なら、3LDKで15万円前後で済むことも。ただ、要注意なのが、あまりにも安い見積りを出してくる業者さんです。

親戚の実家じまいで経験したのですが、見積りでは8万円だったのに、作業後に「これは特殊料金が必要」「オプション料金です」と言われて、結局25万円請求されたそうです。

だから私がおすすめしたいのは、見積りの高い・安いだけで判断せず、口コミや実績をしっかり確認すること。それと、必ず複数の業者さんから見積りをもらうことです。

業者に依頼すべき作業と自分でできる作業の見極め方

実家の片付けは、去年の年末から少しずつ始めています。最初は「全部自分でやれば費用が浮くかな」と思っていましたが、重い箪笥を動かそうとして危うく腰を痛めるところでした。

経験から言えるのですが、自分でできる作業は意外と限られています。でも、上手に分ければ、かなり費用は抑えられますよ。

たとえば、衣類の整理や書類の仕分けは自分でもできます。時間のある時に少しずつ、家族と思い出話をしながらやるのもいいものです。母の着物を整理していたら、昔の素敵な写真が出てきて、姉と懐かしく話が弾みました。

でも、重い家具や家電の処分は絶対に業者さんにお願いすべきです。実家じまいを終えた友人が「自分で処分場まで運ぼうとして、レンタカー代や処分料で結局高くついた」という失敗談を教えてくれました。

結局のところ、実家じまいは思い出との向き合い方でもあります。費用も大事ですが、後悔のない形で進められることが一番大切なのかもしれません。みなさんも、ご自身のペースで、ご家族と相談しながら進めていってくださいね。

実家じまいの費用を安くする方法|プロ直伝の節約術

30万円、50万円、場合によっては100万円以上…。実家じまいの見積書を見て、最初は正直、目が点になりました。

でも、諦めないでください。実は、ちょっとした工夫で、かなり費用を抑えることができるんです。母の実家じまいでは、最初の見積額から半分以下に費用を抑えることができました。

今日は、実家じまいのプロや実際に経験された方々から教えていただいた、具体的な費用削減術をご紹介します。

費用を半額に抑える5つの具体策

「とにかく少しでも費用を抑えたい」。そんな方に、すぐに実践できる方法をお伝えします。

一番効果的だったのは、自分でできる作業は自分で行うこと。衣類や書類の整理、小物の仕分けなどは、時間に余裕がある時に少しずつ。母の着物を整理しながら、懐かしい思い出話に花が咲いて、それはそれで素敵な時間になりました。

次に大きかったのが作業時期の選択。引っ越しが多い3月、4月は避けて、1月、2月の閑散期に依頼したんです。なんと、繁忙期に比べて2〜3割も安くなりました。

それから、まだ使える家具や家電は、買取業者さんに見てもらいました。テレビや冷蔵庫は数年前の物でしたが、思った以上の買取額で、処分費用の足しになりましたよ。

ただし、重い家具の移動や家電の取り外しなど、危険な作業は必ず業者さんに依頼。この「できること」と「任せること」のメリハリが、安全で効率的な費用削減につながりました。

自治体の補助金・助成金を活用した費用削減術

実はこれ、私も後から知って「もっと早く知りたかった!」と思ったんですが、自治体によって実家じまいに使える補助金があるんです。

例えば、空き家の解体費用に対する補助金。母の実家の場合、築45年だったこともあり、解体費用の3分の1(上限30万円)が補助されました。

補助金の申請は確かに手間はかかります。でも、必要書類を揃えて申請するだけで、数十万円の補助が受けられるかもしれないんです。まずは、お住まいの自治体の窓口に相談してみることをおすすめします。

見積書の値引き交渉術と適正価格の見分け方

ご近所の方から教えていただいたのですが、見積書の金額って、実は交渉できるんです。

私の場合、3社から見積もりをもらって比較しました。でも、気を付けたいのが、一番安い業者を選ぶこと。実は後から追加料金を請求されるケースが多いそうなんです。

見積書は必ず細かい内訳を出してもらいましょう。「一式」という表示は要注意です。「これって具体的にどんな作業なんですか?」と確認することで、追加料金のリスクを減らせます。

そして、私の場合は「実は予算がここまでなんです」と正直に相談したところ、作業内容を調整して20%近く値引きしてもらえました。

ただし、あまりに無理な値引き交渉は逆効果。業者さんと気持ちよく取引することも大切です。実家じまいは思い出の品との別れ。その大切な作業を任せる方々とは、良い関係を築きたいですよね。

結局、実家じまいの費用削減は、自分でできることは自分で、危険な作業は業者さんに、というバランスが大切。焦らず、家族と相談しながら、自分のペースで進めていくことをおすすめします。

実家の処分方法別の費用比較|売却・解体・賃貸

実家じまいをした後、家をどうするか。これが次の大きな決断になりますよね。実は我が家も、両親の実家をどうするか、兄弟で何度も話し合いました。売却?解体?それとも賃貸?結論を出すまでには時間がかかりましたが、それぞれの選択肢にかかる費用をしっかり比較できたことで、納得のいく決断ができました。

実家を売却する場合の諸費用と手数料

まず気になるのが、売却時の諸費用です。実家の場合、築年数が古いことも多く、リフォームが必要になるケースがほとんど。

実家売却時の主な費用:
仲介手数料:不動産価格の3%+6万円(税別)
リフォーム費用:キッチン・お風呂など最低限で100万円前後
不動産登記費用:司法書士報酬15~20万円
印紙代:売買契約書作成時に1~3万円

経験者の声として多いのが「リフォーム費用の見極めが難しい」という意見。最近は「リフォームなしでも買い取ります」という業者さんも増えていますが、その分、買取価格は低めになることが多いようです。

実家を解体する場合の構造別費用相場

更地にして売却するという選択肢も考えられます。解体費用は建物の構造によって大きく変わってきます。

構造別の解体費用(30坪の場合):
木造住宅:90~120万円
鉄骨造:180~210万円
鉄筋コンクリート造:240~300万円

ただし、これはあくまで建物本体の解体費用。実際には、アスベスト調査費用(5~10万円)や、樹木の撤去費用(1本3~10万円)なども必要になることがあります。

うちの場合は木造でしたが、庭木の処分に予想以上の費用がかかりました。見積もりをとる際は、建物以外の処分費用もしっかり確認することをおすすめします。

実家を賃貸活用する場合の初期費用と回収期間

「せっかくだから、収入になる方法を考えてみては?」と不動産屋さんに勧められて、賃貸活用も検討しました。確かに、毎月の家賃収入は魅力的。でも、意外と初期費用がかかるんです。

賃貸向けリフォームの費用目安:
水回り設備更新:150~200万円
クロス・床材の張替:50~80万円
設備機器の交換:30~50万円
耐震補強工事:100万円~

実家を賃貸に出している方に話を聞くと、投資回収には平均で5~7年かかるそうです。立地条件が良ければ、その後は安定した収入になりますが、定期的な修繕費用も考慮する必要があります。

結局のところ、実家の処分方法は、建物の状態や立地、そして何より家族の意向を踏まえて決めることが大切です。空き家にしておくと固定資産税や管理費用がかさむので、早めの決断をおすすめします。

実家じまいの作業工程と費用の発生タイミング

実家じまいって、いつ何をすればいいのか、どのタイミングでお金が必要になるのか、最初はとても不安でした。実際に経験してみて、計画的に進めることの大切さを痛感しています。今日は、私の体験も交えながら、実家じまいの作業の流れと費用のタイミングについてお話しします。

片付けから売却までの標準的な作業手順

実家じまいの標準的な期間は2~3ヶ月。でも、実家の状況や家族の都合によって、もっと時間をかけることもあります。

作業の大まかな流れはこんな感じです。

第1段階(1~2週間):
事前準備と現状確認。実家の中を写真に撮って、家財の量を把握します。この時点で業者さんに見積もりを依頼するのがおすすめ。

第2段階(2~4週間):
家財の仕分けと片付け。思い出の品を整理するのに、意外と時間がかかりました。実家の近くに住んでいない場合は、連休を使うなど、まとまった時間の確保が必要です。

第3段階(1~2週間):
業者による不用品の回収と清掃。ここからはテキパキと進みます。

最終段階(1~2ヶ月):
必要に応じて、売却や解体などの手続き。不動産屋さんとの打ち合わせや、解体業者さんとの調整が入ります。

各工程で発生する費用と支払い時期

実家じまいの費用は、一度にドンと払うわけではありません。工程ごとに分かれて発生します。

見積もり時:
基本的に無料。ただし、遠方の場合は出張見積もり料(1~2万円)が必要なことも。

片付け開始時:
契約金として見積額の30%程度を支払うことが多いです。

作業完了時:
残金の支払い。追加作業があった場合は、その分も含めて精算します。

家の処分時:
売却や解体を選んだ場合は、また別途費用が発生。こちらは契約時と完了時の2回に分けての支払いが一般的です。

予期せぬ追加費用が発生するケースと対策

正直に言うと、当初の見積もり以上の費用がかかることは珍しくありません。でも、よくあるケースを知っておけば、ある程度は防げます。

最も多いのが、見積もり時に気付かなかった不用品の処分費用。和箪笥の奥から出てきた重たい農機具や、屋根裏部屋で見つかった使っていない家電など。私の場合も、母が大切にしていた盆栽の処分に、思いがけず費用がかかりました。

特に注意が必要なのが、これらの隠れ家財の処分費用。見積もり時には「一式」として計上されていても、実際の作業時に台数や重量で追加料金が発生することがあります。

こういった追加費用を防ぐには、見積もり時に家の中をくまなくチェックすること。写真を撮って業者さんに見せたり、事前に家族で話し合って処分品を確認したりすることで、想定外の出費を減らせます。

それと、業者さんとの契約時に、追加料金が発生する条件を必ず確認しておくことをおすすめします。見積書の「一式」という表記は、具体的な内容を確認しましょう。

実家じまいは、一つひとつの作業に思い出が詰まっているだけに、焦らず丁寧に進めることが大切です。でも、費用面では計画的に。経験者として、それが一番のアドバイスです。

空き家として維持する場合の年間費用

「実家じまいはちょっと待って、しばらくこのままにしておこうかな…」

そんな風に考えている方も多いのではないでしょうか。実は私も最初はそう思っていました。でも、空き家として維持するにも、思った以上にお金がかかるんです。

両親の実家を1年間維持してみて、実感した費用について、率直にお話ししたいと思います。

固定資産税や管理費など必須の維持費用

空き家にしていても、必ずかかってくる費用があります。うちの場合、土地・建物を合わせた固定資産税が年間12万円。これは払わないわけにはいきません。

水道や電気の基本料金も気になります。完全に止めてしまうと、いざという時に困るので、最低限は維持することに。毎月5,000円ほど。

火災保険料は年間3万円。空き家だと、むしろ事故のリスクは高まるので、これも外せません。

庭の手入れも大きな出費でした。草刈りを年4回お願いしたら、1回2万円。ご近所迷惑にならないよう、これは欠かせません。

年間の維持費用(我が家の実例):
固定資産税:12万円
光熱水費基本料:6万円
火災保険料:3万円
庭の管理費:8万円
合計:およそ29万円

将来的な修繕費用の試算方法

空き家の怖いところは、住んでいないからこそ傷みが早いこと。雨漏りや外壁の傷みなど、気付いた時には修繕費用が膨らんでいた…なんて話はよく聞きます。

経験者の話では、築20年以上の家の場合、5年以内に必要になりやすい修繕として:
屋根の部分修理:30~50万円
外壁の補修:20~40万円
雨樋の取替え:10~15万円

こういった修繕費用は、建物の状態や地域によって大きく変わります。私の場合、地域の工務店さんに相談して、今後10年間で必要になりそうな修繕費用を概算してもらいました。

実家じまいと維持費用の長期的な比較

ここで考えたいのが、空き家として維持するのと、実家じまいをするのと、どちらが経済的なのか。実際に計算してみると、意外な結果が見えてきました。

5年間の費用比較:

維持した場合:
必須維持費(29万円×5年):145万円
予想される修繕費:50~100万円
合計:195~245万円

実家じまいをした場合:
片付け・処分費用:40~60万円
売却・解体費用:100~150万円
合計:140~210万円

もちろん、実家への思い入れは人それぞれ。費用だけで判断はできないと思います。でも、なんとなく空き家にしておくことで、結果的に大きな負担になることも。

実家の状態や立地にもよりますが、できるだけ早めに方向性を決めることをおすすめします。うちの場合は、この計算をきっかけに家族で話し合い、実家じまいを決断しました。今となっては、その決断で良かったと思っています。

実家じまいでトラブルを避けるポイント

実家じまいは想像以上に神経を使う作業です。私も父の実家じまいを経験して、業者選びや兄弟との話し合い、相続の手続きなど、本当に慎重に進める必要があると実感しました。今日は、実体験から学んだトラブル回避のコツをお話しします。

要注意の業者の見分け方と高額請求の回避方法

「激安実家じまい!見積り無料!」そんな広告につい目が行きますよね。でも、要注意なんです。

実は近所の方が、こんな経験をされたそうです。最初は10万円という格安見積りだったのに、作業後に「特殊処分費用」「分別手数料」などと次々に追加費用を請求され、結局50万円以上かかってしまったとか。

信頼できる業者を見分けるポイントをまとめてみました:

見積書の書き方:
適正な業者:項目ごとに細かく明記
要注意な業者:「一式」表記が多い、内訳が曖昧

料金の提示:
適正な業者:標準価格を明確に提示
要注意な業者:激安価格を強調、条件が不明確

高額請求を防ぐには、必ず複数の業者から見積りを取ること。そして、見積り時に「追加料金が発生するケース」を具体的に確認しておくことが大切です。

家族間での費用分担を円滑に進めるコツ

お金の話って、家族だからこそ難しいですよね。うちの場合、兄弟3人で費用を分担することになったのですが、最初は話し合いがうまく進みませんでした。

でも、こんな工夫をしたら、スムーズに話が進んだんです。

まず、実家じまいの費用を3つに分類:
必須費用:片付け、不用品処分など
任意費用:思い出の品の整理、供養など
将来費用:売却・解体関連

その上で、LINEグループを作って情報共有。見積書や作業の写真を送り合って、それぞれの意見を出し合いました。対面だと言いづらいことも、メッセージなら冷静に伝えられるんです。

そして大切なのが、支払いの記録をきちんと残すこと。私の場合は、表計算ソフトで支出を管理して、毎月家族に共有していました。

相続と実家じまいを同時進行する際の注意点

相続手続きと実家じまいを同時に進めると、思わぬトラブルが起きることも。実際、私たちも失敗しかけました。

最も注意したいのが、遺品の処分タイミング。相続が完了する前に、うっかり遺品を処分してしまうと、相続放棄ができなくなる可能性があるんです。

また、不動産の相続手続きと実家じまいのタイミングも要注意。例えば、相続登記が完了する前に解体工事の契約をしてしまうと、手続きが複雑になることも。

体験から学んだ進め方のコツ:

1か月目:相続の手続きを開始、遺品の仕分けは書類のみ
2か月目:相続の方向性が決まってから遺品整理に着手
3か月目以降:相続完了後に不動産の処分を検討

実家じまいと相続。どちらも大切な手続きだからこそ、焦らず順序立てて進めることが大切です。分からないことは、早めに専門家に相談するのがいいと思います。

下記の記事では実家じまいの概要についてわかりやすく解説しています。

この記事を書いた人

アーキ君
アーキ君
不動産のプロとして33年のキャリアを持ち、お客様に寄り添った最適なサービスをご提供することに情熱を注いでいます。アットホームな社風の中、有能なスタッフと共に日々研鑽に励み、お客様の人生に幸せをもたらすことが私の喜びです。