コインランドリーといえば、一昔前は「暗い建物」とか「洗濯するのに汚い場所」といったイメージだったのではないでしょうか。

しかし、統計を見てみると、コインランドリーの数は減るどころかむしろ増え続けています。パッと見も綺麗で広々としたコインランドリーが増えています。

20年前は1万店弱だったコインランドリーの数は、現在では2倍以上の2万1000店にまで急増しています。土地活用にコインランドリー経営をする人が増えているということです。

現在、日本の洗濯労働市場の規模は約5.2兆円と言われており、そのうち、クリーニング市場は約4000億円(8%)、コインランドリー市場は1000億円(2%)を占めています。

残り4.7兆円(90%)は家庭洗濯と試算されています。

クリーニング市場は衰退を続けていますが、コインランドリー市場は伸び続けています。

欧米と比較しても、欧米のコインランドリー利用率が20%程度といわれているのに対し、日本国内でコインランドリーを利用する人の割合は5〜10%程度。日本でもコインランドリー需要はまだ伸びる可能性を秘めています。

ここでは、土地活用のひとつとして利用されるコインランドリー経営のメリット・デメリットをみていきましょう。

コインランドリー経営のメリット

利回りが高い

コインランドリー経営は10〜15%程度の利回りが得られることが多く、5%程度が相場のアパート・マンション経営等と比べて比較的高い利回りを実現することができます。コインランドリーに適した立地で事業を始めるのであれば、15%程度以上の利回りも期待できます。

ランニングコストが低い

賃貸不動産であれば、外壁の補修などの大規模修繕が少なからず必要となり、ランニングコストがかなりかかります。コインランドリーでは、最低限の補修で済み、洗剤等の在庫を1〜2か月分抱える程度でランニングコストを抑える事ができます。

節税対策

コインランドリー経営では、個人・法人どちらでも以下3つの税制優遇を利用することができます。※中小事業者のみ。一定規模以上の会社は利用不可

・中小企業経営強化税制

中小企業経営強化税制とは、中小企業の設備投資による企業力の強化や生産性向上を後押しする制度です。 中小企業者が、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づいて新たな設備を取得し、指定された事業にそれを利用すると、即時償却、または取得価格の最大10%の税額控除という優遇が受けられる税制です。

・生産性向上特別措置法に基づく固定資産税の特例

平成30年6月6日に施行された「生産性向上特別措置法」は、中小企業の生産性向上に向けた設備投資を後押しするもので、市町村の判断により、新規取得設備の固定資産税の課税標準額を3年間ゼロから2分の1の間で市町村が定める割合に軽減できる特例措置を講ずることとしています。

・小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例とは、亡くなった人が住んでいた土地、事業をしていた土地、貸していた土地について、一定の要件を満たす人が相続したときに最大80%オフできる特例です。

人的トラブルが少ない

コインランドリーは、機械を動かすだけですから、人的なトラブルは少なくなります。ただし、両替であるとか、機械トラブルが起こった時の対応は必要になります。また清掃員を雇っているコインランドリーも少なくありません。

安定利用がある

コインランドリー利用者は、リピート率が高い傾向があります。夫婦共働きの家庭が増え、洗濯物は週末にまとめて終わらせるというライフスタイルが増えていることもコインランドリー利用者が増えている背景にあります。

コインランドリー経営のデメリット

初期費用がかかる

コインランドリー経営をはじめるには、総額で約2,500万~4,000万円程度の費用が櫃お湯になります。電気や水道などの設備を整えるのに600万~750万円、洗濯機などの設備に1,500万~2,500万円、集客のためのチラシ配布や保険などに20万円程度かかります。洗濯機、乾燥機を中古でそろえれば経費を抑えることができます。

差別化しにくい

洗濯、乾燥はどの機械で行っても違いがわかりにくく、価格競争になることもあります。最近では、カフェやドッグランを併設することで、より利用しやすい店舗運営を行う事業者も増えています。出店するときにはどのような立地特性があるかをよく調べましょう。

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archiアーキ君