結婚、子どもの成長、遠くの地に転勤、ライフスタイルの変化、老人ホームに入居などなど、このような事情から、それまで住んでいたマンションの売却を検討する方もいることでしょう。
しかし、マンション売却は、人生でそう何度も経験するものではありません。多くの方は、「全く経験がないんだけど… 失敗したらどうしよう…」などと不安を抱えているのではないでしょうか。
不安を解消するためには、失敗から学ぶことです。この記事では、失敗事例を参考にしながら正しい売却方法を学んでいきます。
●無駄に安く売却してしまうことを避けたい
●トラブルを最小限にしたい
●できるだけスムーズに進めたい
●気持ちに余裕をもって進めたい
マンション売却でよくある失敗例
最初に、マンション売却でよくある失敗について見ていきましょう。
「売り出し前の失敗」と「売り出し中の失敗」、2つに分けて見ていきます。
マンション売り出し前の失敗
売り出し前でよくある失敗には、次の3つがあります。
2.売り出し価格の設定ミス
3.最低価格を設定していない
以下、それぞれを詳しく解説していきます。
査定を依頼する業者の経験が少ない
査定とは、「どれくらいの売却価格になるか」を不動産業者さんに算出してもらうことをいいます。
しかし不動産の査定価格とは、必ずその金額で売れることを保証するものではありません。同じ物件を査定しても不動産業者によって提示する価格は異なります。
マンション売却を検討している方の中には、「査定は昔からお世話になっているところにお願いする」「査定は一番評判のよいところだけでいいかな」などと考えている方もいらっしゃいますが、査定を受ける業者数が1社、2社と少ないと、マンション売却に失敗しやすくなります。
査定結果は不動産業者さんによって大きく差が出る場合もあります。「マンション売却に慣れていない」「そのエリアのマンション事情に詳しくない」といった経験不足により、的外れな査定結果を出してくる不動産業者さんもいます。
また、ただ自分のところで契約してもらいたいがために、意図的に高い査定結果を出してくる不動産業者さんもいます。近年人気の不動産売却の一括査定サイトの弊害です。
相場より高い査定価格であれば、売主さんは嬉しいでしょう。しかし相場より高い価格で売り出すと、いつまでたっても売れないという可能性もあります。
近年は不動産売却の一括査定サイトに申し込む人が増えていますが、それには大きなデメリットがあることを知っておかなければなりません。
一括査定サイトに登録すると、6社、7社が査定をしてくれるので、比較検討をするには便利なサービスです。
しかし、一括査定を依頼された不動産業者の立場に立ってちょっと考えてみてください。
複数のライバル会社がいることはわかっているわけです。そんな状態で査定価格を出すときに不動産業者はどんな気持ちになるでしょうか?
「他社より高い価格を出さなければ、依頼してもらえない」という気持ちになることが容易に想像できます。
内心では「こんな金額で売れるはずはない」と思いながらも、契約獲得のため、ノルマ達成のために、相場より高い価格で査定することが実際に行われています。
それは売主様の利益に沿うことなのでしょうか?
いくら高い価格で査定されても、売れなければ意味がありません。
適切な価格で、適切な期間で売れることが売主様の利益につながるはずです。
査定は、1社だけでは比較検討ができませんが、多すぎるのも弊害があります。3社程度の不動産業者さんに依頼するようにしてください。明らかに他とかけ離れた査定結果がある場合は、妥当性を検証するか、根拠を教えてもらうようにしてください。
自分自身で相場を把握しておくことも大切です。あらかじめ、不動産情報サイトなどを参考に、周辺にある類似マンションの相場を調べるようにしましょう。そうすることで、査定結果の信憑性を自分で判断できるようになります。
売り出し価格の設定ミス
マンション売却では、たいていの方が、「少しでも高い価格でマンションを売却したい」と考えることでしょう。
しかし、売り出し価格として高すぎる価格を設定してしまうと、購入希望の話どころか、問い合わせも内覧申し込みも全く来ないということが起こり得ます。
問い合わせや内覧申し込みが来ないとなれば、お客様の反応が見えません。お客様の反応が見えなければ、「どういう人に興味を持ってもらえているのか」「どのように評価されているのか」なども分かりません。
大した収穫も進展もないまま時間だけが過ぎていき、最終的には時間の都合もあり適正価格よりもずっと低い価格で売却することに――。このような事例が少なくありませんので、注意してください。
「最初は高く設定しておいて、様子を見ながら、少しずつ少しずつ段階的に値下げしていけばよいのでは」という方もいますが、これは考え物です。
マンション探しをしている多くの方は、情報を日々チェックしています。少しずつ値下げをしていった場合、「簡単に値下げできるマンションなのね」「売れないマンションなのね」といったようなネガティブな印象を持たれてしまうこともあります。
売り出し価格については、慎重に検討するようにしましょう。適正価格でなければいけないということはありませんが、よほどの戦略や見込みがない限り、欲張り過ぎないのがベターです。
最低価格を設定していない
マンション売却では、購入希望者さんからの要望、あるいは不動産業者さんからの提案により、値下げ交渉が行われることがあります。値下げ相場としては、一般的に3~10%程度です。
値下げ交渉の際、「最低でもこの価格であれば売却に合意できる」という売却価格の最低ライン(以降「最低価格」と呼ぶ)を設定せずにいると、売却できるタイミングを逃してしまうことがあります。
言うまでもないことですが、購入希望者さんは無限に存在するわけではありません。売却のチャンスというものは、何度も何度も訪れるわけではありません。マンション売却に関わる人の時間もエネルギーも限られています。
値下げ交渉にどう応じるかは基本的に自由ですが、「希望価格で売却できるときが来るまで待つ」などといったスタンスでいると、せっかくの売却のチャンスを自ら潰してしまうことにもなります。
高く売れることに越したことはないのですが、自らチャンスを潰さないよう、ときには妥協することも大切です。
最低価格については、マンションを売り出す前の段階で決めておきましょう。ローン残債や次に住む物件の頭金などを踏まえながら決めるのが一般的です。最低価格を決めておけば、判断がつきやすくなるので、下手にタイミングを逃してしまうようなことを避けられるでしょう。
マンション売り出し中の失敗
売り出し中によくある失敗には、次の3つがあります。
2.内覧時に部屋が汚れている
3.安易な価格の値下げ
以下、それぞれを詳しく解説していきます。
売り出す時期が良くない
マンション売却では、売り出す時期によって失敗してしまうケースがあります。
失敗しやすい時期1:引越しシーズンの後
マンションは、春と秋に売却しやすくなる傾向があります。
夏・冬にマンション売却をはじめてしまうと、ニーズが少ないことから、売却期間が長引いてしまうことがあります。
様々な事情があるとは思いますが、可能なのであれば、ニーズのある春・秋に売却できるよう調整するようにしましょう。
失敗しやすい時期2:競合がいる時期
同時期に、近隣で似たような条件のマンションが売り出されていると、売却期間が長引いてしまったり、大幅な安値で売却せざるを得なくなったりします。
特に気を付けたいのが、同じ建物内の別室が売り出されているケースです。条件がほとんど変わらないので、価格競争をさせられやすいのです。
失敗しやすい時期3:地価が上昇する前
●街が再開発される
●最寄り駅が改装される
●近場に大型商業施設ができる
このようなことがあると、そのエリアの人気が高まり、メディアでも取り上げられるようになり、結果としてマンションを高く売却できるようになります。「街の再開発で周辺のマンション相場が1割2割上昇した」などという話は普通にあります。
ただし、計画が持ち上がってから、そのような状況になるまでには一定期間を要します。その間にマンション売却をしてしまうと、大幅に損をしてしまうことになるでしょう。
マンションのあるエリアが大きく変化するようなときは、相場の変動などをチェックしながら、売却のタイミングを見定めるようにしてください。
内覧時に部屋が汚れている
内覧とは、購入希望者さんに、実際にマンションまで来てもらい、部屋や共用部などを、自分の目でチェックしてもらうことをいいます。
この内覧の時に、部屋が汚れていたらどうなるでしょう。たとえば、クロスが黄ばんでいる、照明にほこりがたまっている、水回りに水垢や石鹸カスがついている、モノが散乱しているなどなど。購入希望者さんからすれば、そこで快適な生活をしているイメージが湧いてきませんよね。
あまりに生活臭が漂っていると、細かい部分のチェックなどを遠慮させてしまう、居心地が悪くて帰りたい気持ちにさせてしまう、といったことも起きてくるでしょう。
「内覧時に部屋が汚れている」
単純なことですが、これでマンション売却に失敗してしまう例が少なくありません。
マンション売却では、「明日のお昼、そちらのマンションを内覧させてもらえますか?」などと急な連絡が入ってくることもあります。マンションを売り出しはじめたら、常にキレイな状態を維持するようにしてください。
あまりにモノがたくさんある場合は、思い切った断捨離をしてしまうのも手です。掃除がしやすくなる上に、引越し費用も安く抑えられるようになります。
目立った汚れがたくさんある場合は、掃除をプロの依頼するのもよいと思います。もちろん費用はかかりますが、作業の品質がよいため、高値での売却がしやすくなることもあります。
内覧時にいかに買主候補の方に買う気になっていただけるかが、早期売却・高額売却のための重要ポイントです。
買う気になってもらうための内覧のポイントを下記の記事にまとめました。ぜひチェックしておいてください。
安易な価格の値下げ
マンションを実際に売り出してみると、適正価格であっても、なかなか売却できないことがあります。不動産業者から値下げを提案されることがあるかもしれませんが、安易に応じるのではなく、本当に値下げをしないと売れないのか、不動産業者としっかり話し合いましょう。
値下げをすれば、問い合わせや内覧申し込みが増えるでしょう。それが売却につながることもあるでしょう。値下げをすることは、スムーズな売却へとつながる効果的な方法です。しかし、そうするのはしっかりと行うべきことを行った後です。
適正価格でもなかなか売却できない場合、その原因として、広告に載せた写真がキレイでない、ホームページが分かりにくい、内覧時の対応が悪いなども考えられます。値下げをするのは、こういった原因に対処してからですね。原因に対処しないまま、安易に値下げをしてはいけません。
売却できる気配がないと、気持ちが落ち込んでしまったり、売却活動に消極的になってしまったりもしますが、非常に単純なことが原因になっていることもあります。しっかりと原因に対処して、気持ちを強く持つことが大切です。
実際にあったマンション売却の失敗談
ここで、実際にあったマンション売却の失敗談を、3つご紹介します。こちらを読むことで、より具体的なイメージが湧いてくると思います。
マンション売却の失敗談①売り出し価格が高すぎた
『以前、一人で都内にあるマンションに住んでいたのですが、地方への転勤をきっかけにそのマンションを売ることになりました。
不動産業者2社に査定のお願いをしたら、どちらも自分が想定していた以上に高い金額。「こんな金額で売れるなら頑張ってみよう」って感じでしたね。そして、家族など周りとも相談した上で、高い査定価格を出した方の業者さんと仲介契約をすることにしました。
でも、いざマンションを売りに出してみると、なかなか売れず… 売れないどころか、問い合わせすらほとんどなく… 「こんなに反応がないものかね」とガッカリしていました。
結局、引越しには期限があったため、価格を大幅に値下げすることに。本当のことを言って、身を切るような思いでした。売ることはできたのですが、なんだか残念な気持ちでいっぱいになりましたね。』
この失敗は、査定価格の根拠を聞いてみるか、もしかく査定依頼をもっと多くの業者さんに依頼するかしていれば、防げた失敗かもしれませんね。
不動産業者さんの中には、自分のところで契約してもらうと、意図的に高い査定価格を出すところもあります。とりあえず高めの価格で売り出してみて、売れなければ、売主に「値下げしてみましょう」と掛け合えばよいーー。このようなスタンスなのです。
この体験談の方のケースが、そうだったかは不明ですが、可能性としては十分にあると思います。
マンション売却の失敗談②内覧対応に問題があった
『私は以前、妻と2人でマンション暮らしをしていました。あるとき、親から一戸建ての家を相続し、そこに2人で引越しをすることに。
それまで住んでいたマンションは、不動産業者さんにお願いして売却することになりました。
実際に売り出してみると、普通に内覧の申し込みがあり、対応していたのですが、どの方も成約まで至る気配がほとんどなく。
「内覧の申し込みはたくさんあるのに成約に至らない… これは内覧対応に問題があるのかもしれない」 あるとき、そう思い対策を打ちました。
部屋をキレイに掃除をする、よくある質問にスムーズに的確に答えられるようにしておく、この2つです(正直、対策を打つ前の部屋はかなり汚かったと思います)。
結果的に、満足する価格で売却することができましたが、「タイム・イズ・マネー」と考える私からすれば、売却までに膨大な時間を費やしてしまったのが心残りです。』
内覧の申し込みはたくさんあるのに成約に至らない… この原因としては、内覧対応の仕方に問題がある、もしくは広告内容と実物に差があり過ぎる、などが考えられます。
内覧対応の仕方を変えて反応がよくなったのなら、内覧対応の仕方に問題があったのかもしれません。
どんなによい物件であっても、内覧のときの印象が悪いと、購入希望者さんの購入意欲をそいでしまいます。これは物件の良し悪しに関わらず、誰もが意識しておきたいポイントです。
マンション売却の失敗談③売り出す時期が悪かった
『私は以前、私、夫、息子、娘の4人で、あるマンションに住んでいました。
2人の子どもが成長するにつれ、なんとなく手狭に感じるようになり… 体が大きくなるのはもちろん、思った以上にモノが増えたんですよね。本当はずっとそのマンションに住み続けるつもりでいたのですが、収入が増えたこともあり、もう少し広い今のマンションに引越しをすることにしました。
そこまではよかったのですが、不動産業者さんにお願いしてマンションを売り出してみたら、ほとんど売れる気配がなく。大体3ヶ月程度で売ることを考えていたのですが、4ヶ月経っても、5ヶ月経っても売れず。
精神的な疲労がどんどん溜まってきて、最終的には「もういいや」と、大幅に値下げをして売りました。どうも競合するマンションがいくつもあったみたいですね。後から分かったことですが。
物件自体に問題がなかったのであれば、単に時期をずらせばよかったのかなと、今ではそう思います。手狭に感じていたとはいえ、「できるだけすぐに引越しをしなければ」というような状況ではありませんでしたので。』
条件のよいマンションであっても、競合がいると、なかなか売却できなかったり、売却できたとしても満足のいかない価格で売却だったりします。マンション売却というものは、基本的に長期戦で疲れもたまりますので、売りやすいタイミングを見るのも大切ですね。
マンション売却を成功させるコツ
マンション売却では、以下の3つのコツを抑えておくことで、成功率が大幅にアップします。
●マンション売却に適した業者を選ぶ
●マンション売却時の費用の把握
以下、それぞれを詳しく解説していきます。
マンション売却の流れを知る
まず、最初の段階で、マンション売却の流れを把握しておくことです。
そうすることで、マンション売却のイメージが明確になります。
「いつまでに何を考えておけばよいのか」「いつまでに何を準備しておけばよいのか」などがハッキリして行動しやすくなります、不明点が浮き彫りになる分不動産業者さんに対しての質問もしやすくなります。
一般的なマンション売却の流れ
~売り出し前の流れ~
1.相場のチェック
あらかじめ、自分で類似マンションの相場をチェックしておきます。これをしておくことで、不動産業者さんからの査定結果の信憑性を自分でも判断できるようになります。このとき、ライバルとなるようなマンションが見つかれば、情報を控えておきます。
2.書類の用意
マンション売却で必要となるであろう書類を用意しておきます。マンション売却では、一般的に下記のような書類が必要となります。
登記済権利証もしくは登記情報識別通知 |
マンション購入時の売買契約書と重要事項説明書 |
固定資産税・都市計画税納税通知書 |
マンションの利用規約 |
エアコンなどの付帯する設備の説明書 |
3.査定
複数の不動産業者さんに依頼して、「どれくらいの売却価格になるか」を算出してもらいます。一般的には、立地や築年数、間取り、設備、市場動向、過去の売却事例などといった要素から算出されます。
4.資金計画
予想売却価格、ローンの残債、引越し費用、次に住む物件の頭金などなど、出ていくお金と入ってくるお金に基づいて、資金計画を立てます。計画通りにいかなことも多々ありますが、計画を立てておくことで戦略を練りやすくなります。
5.仲介契約
査定結果や業者さんの印象などを参考しながら、マンション売却を依頼する業者さんを決め、仲介契約を結びます。契約内容によっては、簡単に中途解約できない場合もありますので、依頼する業者さんは慎重に選ぶ必要があります。
~売り出し中の流れ~
6.広告を出す
世間の方に、売り出すマンションのことを知ってもらうため、広告を出します。基本的には不動産業者さんが行ってくれます。
7.内覧対応
だいたい月に1件~5件ほど、内覧の申し込みが入るので、日程調整などを行った上で、対応します。必要に応じて掃除も行います。
8.価格の見直し
売却につながる気配がない場合は、適宜価格を値下げしていきます。購入希望者から、値下げ交渉を持ちかけられることもあり、そちらにも適宜対応していきます。
~売り出し後の流れ~
9.売買契約
購入する意思が固まった方が現れたら、条件のすり合わせを行った上で、売買契約を結びます。これ以降のキャンセルには、違約金が発生するようになります。
10.引き渡し
購入代金の決済、鍵や書類(権利証など)の受け渡し、登記手続きなどを行います。不動産業者さんの店舗で行われることもありますが、一般的には買主さんがローンを借りる予定の金融機関で行われることが多いようです。これ以降、売主は、無断でそのマンションに立ち入ることができなくなります。
以上が、マンション売却の流れになります。マンション売却にかかる期間は、一般的に3ヶ月から6ヶ月程度です。
マンション売却時のお金の流れなどについて、詳しく知りたい方は次の記事を参照してください。
マンション売却に適した不動産業者を選ぶ
一口に不動産業者といっても、賃貸、売買仲介、買取、分譲マンション販売、投資用マンション販売などなど、それぞれ得意とする分野があります。
また、売買仲介が得意といっても、「一戸建てでは十分な実績があるけれど、マンションではあまり実績がない」などというケースもあります。
マンション売却をする際は、マンション売却に強い不動産業者さんと仲介契約を結ぶようにしてください。マンション売却に強い不動産業者さんであれば、あなたが失敗しそうになっても、先回りして適切なアドバイスをしてくれるでしょう。
では、マンション売却に強い不動産業者さんかどうかは、どう見分ければよいのでしょうか。
実は、広告やホームページを見ると、何が得意であるかがすぐに分かります。
たとえば、チラシに中古マンションの情報を大きく掲載している不動産業者さんや、ホームページでマンション売却というワードがたくさん出てくる不動産業者さんなどは、マンション売却に強い可能性があります。
広告やホームページを入念にチェックしてみてください。もちろん、電話などで直接聞いてみてもよいと思います。
さらに言えば、マンション売却に強いかどうかに加え、対応の良し悪しも重要なポイントになります。担当者さんの礼儀正しさ、説明の分かりやすさ、レスポンスの早さなどもチェックしてください。ちなみに、担当者さんのあなたに対する対応は、そのまま購入検討者さんへの対応になります。
マンション売却に成功するか、失敗するかは不動産業者の営業担当の力量にかかっています。不動産業者の選び方、断り方など詳しく知っておきたい方は、以下の記事を参照してください。
マンション売却時の費用の把握
マンション売却は、単に現物をお渡しして、その分の代金を受け取るだけではありません。税金などの諸費用がかかります。どのくらいの金額になるかは、ケースバイケースですが、一般的には、売却価格の5~7%と言われています。
マンション売却にかかる諸費用を把握していないと、資金計画が元から崩れていってしまったり、それによって購入希望者さんや銀行など関係者に迷惑をかけてしまったりすることも起きてきます。早い段階でしっかりと把握しておきましょう。
マンション売却にかかる費用として、誰もが抑えておきたいのが次の3つです。
●抵当権の抹消にかかる費用
●不動産会社の仲介手数料
以下、それぞれを詳しく解説していきます。
マンション売却にかかる税金
マンション売却にかかる税金には、「譲渡所得税」「住民税」「復興特別所得税」「印紙税」があります。
[譲渡所得税・住民税・復興特別所得税]
マンション売却によって「譲渡所得」が生じた場合は、「所得税」「住民税」「復興特別所得税」を支払うことになります。
譲渡所得は、以下の計算式で計算されます。
譲渡所得 = 売却価格 - 取得費※1 - 譲渡費用※2
※1 取得費とは、マンションの購入価格、仲介手数料など、マンションの購入に要した費用のことです。取得費が不明な場合は、概算取得費として売却価格×5%で計算することもできます。
※2 譲渡費用は、仲介手数料、広告費など、マンションの売却に要した費用のことです。
譲渡所得にかかる税率は、マンションの所有期間によって異なります。
所有期間 | 所得税の税率 | 住民税の税率 | 復興特別税の税率 | 合計税率 |
5年以下 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
5年超え | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
なお、大抵の場合で、「3,000万円の特別控除の特例」「買い換え特例」などといった特例が適用されることになり、実際に支払うことになるケースというのは、ほとんどありません。
[印紙税]
売買契約を結ぶ際に際に必要となる売買契約書には印紙税がかかります。印紙税とは、契約書など課税文書を作成する際に必要となる税金のことです。印紙税の金額は、売買契約書に記載されている金額によって異なります。
売買価格(契約書に記載された額) | 印紙税額 |
1万円未満 | 非課税 |
1万円以上~50万円以下 | 200円 |
50万円超~100万円以下 | 500円 |
100万円超~500万円以下 | 1,000円 |
500万円超~1,000万円以下 | 5,000円 |
1000万円超~5,000万円以下 | 10,000円 |
5,000万円超~1億円以下 | 30,000円 |
1億円超~5億円以下 | 60,000円 |
抵当権の抹消にかかる費用
抵当権とは、万が一、住宅ローンの支払いができなくなった場合に、指定したもの(一般的にはローンの対象となっている物件)を差し押さえる権利のことをいいます。
通常は、この抵当権が残ったままで、マンション売却をすることはできません。マンション売却をするためには、残りのローンを繰り上げ返済した上で、抵当権の抹消手続きを行う必要があります。
抵当権の抹消手続きは、司法書士に依頼するのが一般的で、その費用は2~3万円です。
また、一般的にローンの繰り上げ返済には手数料がかかり、その費用は1~3万円です。
不動産会社の仲介手数料
仲介手数料とは、売主と買主の間に入ってくれる不動産業者さんに支払う報酬のことです。
仲介手数料は売却価格に応じて上限額が決まっており、多くの不動産業者さんでは、上限額を仲介手数料として設定しています。
マンションの売買価格 | 仲介手数料の上限額 |
200万円以下 | 売買金額×5% |
200万円超~400万円以下 | 売買金額×4%+2万円 |
400万円超 | 売買金額×3%+6万円 |
※別途消費税もかかる
たとえば、マンションを1,000万円で売却した場合では、
売買金額 × 3% + 6万円 = 1,000万円 × 3% + 6万円 = 30万円 + 6万円 = 36万円
という計算から、仲介手数料の上限額は36万円になります。
ここに、消費税(消費税率は10%とする)を加えると、
36万円 + 36万円 × 0.1 = 36万円 + 3.6万円 = 39.6万円
という計算から、39万6,000円となります。
以上、マンション売却の成功率を高める3つのコツについてお伝えしました。
さらに、マンションの高額売却術を知りたい方は以下の記事を参照してください。
プロだけが知っているマンション売却ノウハウを惜しみなく公開しています。
まとめ
マンションというものは、中古であっても、数百万円から数千万円もの値段がつきます。
マンション売却に取り組もうとする誰もが、「絶対に成功させなくては」とお思いのことでしょう。しかし、不動産業界では、「マンション売却は3人に1人が失敗している」とも言われています。
失敗しないためには、失敗例をしっかりと学んでおくことです。本記事が、マンション売却の成功の一助となれば幸いです。
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