空き家 公開: 2026.08.17
空き家900万戸の衝撃——あなたの実家も危ない、知っておくべき対策
総務省の調査で全国の空き家が900万戸・空き家率13.8%に達しました。少子高齢化・物置利用・相続問題・新築信仰が原因で、放置すると安全面・衛生面で問題が起き、固定資産税が最大6倍になることも。岡山市中区で数多くの空き家売却を手がけてきた立場から、対策を解説します。
動画でも解説しています: 激増する空き家、あなたの実家も危ない!?900万戸の衝撃と知らなきゃ損する対策
日本の空き家が900万戸を超えました。総務省の2023年住宅・土地統計調査によれば、全国の空き家数は約900万戸、空き家率は13.8%に達しています。
これは全住宅の約7軒に1軒が空き家という計算です。岡山市中区の原尾島や国富でも、人が住んでいない家が目に見えて増えています。
空き家は「誰かの問題」ではなく、親が高齢になれば誰にでも起こり得る問題です。今回は、なぜこれほど空き家が増えたのか、放置するとどうなるのか、そして対策を整理します。
なぜ空き家が増えたのか——4つの理由
空き家が増えた背景には、大きく4つの理由があります。
1. 少子高齢化
人口が減り、高齢者が施設に入ったり亡くなったりすると、自然に空き家が増えます。子どもは都市部で暮らしており、実家に戻らないケースが多いのです。
岡山市中区でも、「子どもは大阪や東京で暮らしている」という家庭は珍しくありません。親が亡くなった後、実家が空き家になってしまいます。
2. 物置き代わりに使っている
親が亡くなった後、思い出の品や家財を整理できずに、そのまま家を物置き代わりに使ってしまうケースがあります。
片付けは精神的にも肉体的にも負担が大きく、「そのうちやろう」と先延ばしにしているうちに何年も経ってしまうことがあります。
3. 相続の問題
兄弟で意見が分かれたり、遠方に住んでいて管理ができなかったり、相続は本当に難しい問題です。
話し合いがまとまらないまま放置され、次の相続が起きるとさらに相続人が増えて収拾がつかなくなります。
4. 新築住宅への強いこだわり
日本では中古住宅よりも新築を好む傾向が強く、中古住宅市場が活性化していません。
古い家は「売れない」と思い込んでいる方も多いのですが、実際は買い手がいることもあります。まず査定を取って、市場価値を知ることが大切です。
空き家を放置すると起きる問題
空き家を放置すると、さまざまな問題が起きます。
安全面のリスク
建物が老朽化し、倒壊の危険が出てきます。屋根や外壁が壊れて道路に落ちた場合、所有者が損害賠償を負う可能性があります。
また不法侵入のリスクも高まります。空き家は犯罪の温床になりやすく、放火や不法投棄の標的になることもあります。
衛生面のリスク
換気されない家は湿気がこもり、カビが生えます。カビが出るような環境にはシロアリが発生するリスクも高まります。
さらに害虫や動物の巣になることもあり、近隣住民に迷惑をかけることになります。
地域全体への影響
空き家が増えると、周辺の地価が下がったり治安が悪化したりします。
マンションの場合は残った住民の管理費や修繕積立金の負担が増え、さらに住民が減るという悪循環に陥ります。
固定資産税が最大6倍になる「特定空き家」
空き家を放置すると、固定資産税が最大6倍になる可能性があります。
通常、住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が6分の1に軽減されています。ところが「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定されると、この特例が外れます。
特定空き家に指定される基準は、倒壊の危険がある、衛生上有害、景観を著しく損なう、周辺の生活環境に悪影響を及ぼしている、といった状態です。
2023年12月の法改正で、「管理不全空き家」という新しい区分も設けられ、指定される範囲が広がりました。
岡山市中区の浜や平井でも、草木が伸び放題で近隣から苦情が出ている空き家があります。このまま放置すると指定される可能性があります。
空き家を処分できない理由
「空き家をさっさと処分すればいいじゃないか」——そう思われるかもしれませんが、そう簡単にはいかない理由があります。
思い出の整理が難しい
家族の思い出が詰まった家を片付けるのは、精神的にすごく辛い作業です。
写真・手紙・親の遺品を1つ1つ見ていると、時間がかかります。また何を残して何を捨てるかの判断も難しく、結局片付けが進まないことがあります。
所有者不明の土地が増えている
相続が何代も繰り返されたり、会社が破産したりして、誰が持ち主なのか分からなくなってしまった土地が実はたくさんあります。
国土交通省の調査によれば、所有者不明の土地は九州全体よりも広い面積があると言われています。
これまでの税制も問題だった
以前は、住宅があると固定資産税が6分の1に減税されていたため、空き家のまま放置しておいた方が得でした。
ですが2023年の法改正で、管理不全空き家に対しては固定資産税を増税する仕組みが始まっています。
空き家の対策——早めに動く
空き家の対策としては、次のような選択肢があります。
1. 売却する
最も確実な方法は売却です。古い家でも買い手が見つかることがあります。不動産会社に査定を依頼し、市場価値を確認してください。
2. 賃貸に出す
リフォームせずに「そのまま貸す」という方法もあります。意外と需要があり、初期投資を抑えて家賃収入を得られることがあります。
3. 解体する
建物を解体して更地にし、売却または駐車場として活用する方法もあります。ただし解体には費用がかかり、更地にすると固定資産税が6倍になることに注意が必要です。
4. 自治体の補助金を活用する
多くの自治体で空き家の解体や改修への補助金制度があります。岡山市でも制度がありますので、市役所に問い合わせてみてください。
まとめ
- 全国の空き家は900万戸・空き家率13.8%——総務省2023年調査の公表値
- 少子高齢化・物置利用・相続問題・新築信仰が空き家増加の原因
- 放置すると安全面・衛生面で問題が起き、固定資産税が最大6倍になる可能性がある
- 早めに動くほど選択肢が多い——売却・賃貸・解体・自治体の補助金活用
空き家問題は個人の問題であると同時に、地域全体の課題でもあります。まずは「どうするか」の方向を決めるところから始めれば大丈夫です。アーキ不動産は岡山市中区が地元で、一級建築士が建物の状態を見た上で、売却・賃貸・管理を含めた現実的な選択肢をご提案します。
執筆: アーキ不動産(株式会社アーキ・クリエイト)/ 岡山県知事免許(9)第3595号・岡山県宅地建物取引業協会会員。 記事の内容は公開時点の情報です。税制・法令の適用は個別の状況により異なるため、実行前に専門家へご確認ください。