相続 公開: 2026.08.11
実家相続の落とし穴——売却タイミングで手取りが数百万円変わる理由
同じ実家を売るにしても、タイミングを間違えると手取りが数百万円変わります。相続空き家の3,000万円控除は3年目の年末まで、取得費加算は相続税申告後3年以内。岡山市中区で数多くの相続売却を手がけてきた立場から、期限と節税の関係を解説します。
動画でも解説しています: 実家相続の落とし穴! 売却タイミングで得する人、損する人。あなたはどっち?
親が亡くなり、住む予定のない実家を相続した——このとき多くの方が悩むのが、「いつ売るべきか」です。
実は売却のタイミングで、手元に残る金額が数十万円から数百万円変わることがあります。特に税金の特例には期限があり、その期限を過ぎると取り返しがつきません。
岡山市中区の原尾島や浜でも、「もう少し早く相談していれば控除が使えたのに」というケースが実際にあります。今回は、相続した実家をいつ売るべきか、税金面から考えます。
税金がかかるのは「売却価格」ではなく「利益」
まず大前提として、不動産を売ったときに税金がかかるのは売却価格そのものではなく、**利益(譲渡所得)**です。
譲渡所得は、次の式で計算します。
譲渡所得 = 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用
- 取得費:親が買ったときの価格(分からない場合は売却価格の5%とみなされる)
- 譲渡費用:仲介手数料・測量費など、売却にかかった費用
たとえば3,000万円で売れた家でも、親が2,500万円で買っていて譲渡費用が200万円かかった場合、譲渡所得は300万円です。この300万円に対して約20%の税金がかかります。
ここでポイントになるのが、取得費が分からない場合です。古い家では売買契約書が残っておらず、取得費を証明できないことがあります。この場合、取得費は売却価格の5%とみなされ、税金が大幅に増えます。
3,000万円で売れた場合、取得費は150万円。譲渡費用200万円を引いても、譲渡所得は2,650万円になり、税金は約530万円にもなります。
契約書は必ず探してください。見つからない場合は、通帳の記録や住宅ローンの書類で代用できることもあります。
相続空き家の3,000万円特別控除——3年目の年末が期限
相続した空き家を売るときに最も大きな節税効果があるのが、相続空き家の3,000万円特別控除です。
この控除を使えば、譲渡所得から最大3,000万円を差し引くことができ、多くの場合は税金がゼロになります。
主な適用条件
- 昭和56年5月31日以前に建てられた家であること
- 区分所有建物(マンション)でないこと
- 相続開始から売却まで空き家であること
- 相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売却すること
- 譲渡価額が1億円以下であること
たとえば2023年5月に親が亡くなった場合、2026年12月31日までが期限です。2027年1月に売っても、この控除は使えません。
また2024年の税制改正で、相続人が3人以上の場合は控除額が2,000万円に減額されました。それでも大きな節税効果があります。
適用の可否は個別の状況によりますので、必ず税理士にご確認ください。
取得費加算の特例——相続税申告後3年以内
相続税を払った方が使えるもう1つの特例が、取得費加算の特例です。
これは相続税の一部を不動産の取得費に加算できる制度で、譲渡所得を減らすことができます。
ただしこの特例には期限があり、相続税の申告期限の翌日から3年以内に売却しなければなりません。相続税の申告期限は相続開始から10か月以内ですので、相続開始からおよそ3年10か月以内が目安です。
相続空き家の3,000万円控除とは併用できませんので、どちらを使うかは税理士と相談して決めてください。
持ち家と賃貸で最適なタイミングが変わる
売却のタイミングは、相続する人が持ち家に住んでいるか、賃貸に住んでいるかでも変わります。
持ち家に住んでいる場合
あなたが持ち家に住んでいる場合、親の生前に売却してもらう方が有利なケースがあります。
なぜなら親がマイホームとして住んでいた家を売る場合、親自身が居住用財産の3,000万円特別控除を使えるからです。この控除は住まなくなってから3年目の年末までに売れば適用できます。
相続後にあなたが売る場合、あなたはすでに持ち家があるため小規模宅地等の特例が使えず、相続税が高くなることがあります。
賃貸に住んでいる場合
一方、あなたが賃貸に住んでいる場合は、相続後に売る方が有利なケースがあります。
なぜなら相続時に小規模宅地等の特例を使えば、相続税評価額を80%も下げることができ、相続税がゼロまたは大幅に減るからです。
ただしこの特例を使うには、相続人が被相続人と同居していたか、3年以上持ち家を所有していないことが条件です。
期限を過ぎると取り返しがつかない
税金の特例は、後から「知らなかった」では取り返せません。
たとえば相続してから4年後に「やっぱり売ろう」と思っても、相続空き家の3,000万円控除も取得費加算の特例も期限切れです。同じ価格で売れても、手取りが数百万円少なくなることがあります。
岡山市中区の国富や東川原でも、「3年前に相談してくれていれば」というケースが実際にあります。
まとめ
- 税金がかかるのは利益だけ——売却価格ではなく、取得費・譲渡費用を引いた譲渡所得
- 相続空き家の3,000万円控除——相続開始から3年を経過する年の年末まで。2024年改正で相続人3人以上なら2,000万円
- 取得費加算の特例——相続税を払った方が使える。相続税申告後3年以内が期限
- 持ち家か賃貸かで最適なタイミングが変わる——小規模宅地等の特例・居住用財産の控除との兼ね合い
売るかどうかを決める前に、まず「いくらで売れそうか」「どの控除が使えそうか」を確認してください。アーキ不動産は岡山市中区が地元で、相続不動産の売却を数多く手がけてきました。税理士と連携し、節税も含めてご提案します。まずは無料査定で、手取り額のシミュレーションから始めましょう。
執筆: アーキ不動産(株式会社アーキ・クリエイト)/ 岡山県知事免許(9)第3595号・岡山県宅地建物取引業協会会員。 記事の内容は公開時点の情報です。税制・法令の適用は個別の状況により異なるため、実行前に専門家へご確認ください。