売却の基本 公開: 2026.07.26
不動産業者の囲い込みとは——売主不在の深い闇
囲い込みとは、不動産会社が自社の顧客だけで取引を完結させようとする行為です。両手取引自体は悪ではありませんが、囲い込みは売主の利益を損ねます。見抜くポイントと対策を解説します。
動画でも解説しています: 不動産業者の深い闇!売主不在の「囲い込み」とは?
不動産売却を検討している方に知っておいてほしいのが、囲い込みという言葉です。
囲い込みとは、不動産会社が売主と買主の両方から仲介手数料をもらうために、他の不動産会社に情報を公開せず、自社の顧客だけで取引を完結させようとする行為です。
これは、売主の利益を損ねる可能性があります。
両手取引と囲い込みの違い
まず誤解しないでほしいのが、両手取引の全てが囲い込みではないということです。
両手取引とは、1つの不動産会社が売主と買主の両方から仲介手数料をもらう取引形態のことです。売却を依頼された不動産会社が自社で買主を探してきて売買契約を結ぶケースです。
両手取引自体は必ずしも悪いわけではありません。問題なのは、他の不動産会社に情報を公開せず、無理に両手取引にしようとする「囲い込み」という行為です。
例えば、レインズという不動産情報ネットワークに登録しないとか、他社からの問い合わせを無視するとか、これは明らかにダメなことです。
囲い込みが起きる理由
売主はできるだけ早く高い価格で売れることを望んでいます。買主を広く探して成約するように、自社以外の不動産会社にも買主を紹介してもらう仕組みがあります。
そのために、専任売買契約という売却依頼を受けた不動産会社は、公益財団法人である不動産流通機構(レインズ)に登録することが義務付けられています。登録すると、全ての不動産会社が物件情報を得て、買主に紹介できるようになっています。
買主を他の不動産会社が見つけてきたら、買主からの仲介手数料はその他社に入ります。売主・買主の両方から仲介手数料が入る両手取引なら、会社としては利益を確保しやすいのです。
なるべく他の業者には紹介させないために、「現在商談中で契約の予定になっていますので、ご紹介はできません」と断って、自社の利益を上げることを目的にして、大手の不動産会社の自社都合で売主が早期成約できるチャンスを見逃してしまうということもあります。
売主の利益を損ねる行為になりかねません。
両手取引のメリット・デメリット
正しく行われる両手取引自体には、実はメリットもあります。
- 交渉整理がしやすい——関係者が少ないから情報の行き違いが減る
- 内覧の調整がスムーズにできる——1つの会社で全部掌握しているから日程調整がやりやすい
- 売主から直接聞いた詳しい情報を買主に伝えられる——家への思い入れなど数字じゃ表せない情報も伝えられる
- 取引が早く済む可能性もある——条件の合う買主を見つけやすい
デメリットは、正しく行われない囲い込みのリスクです。
囲い込みをされないための対策
対策1|複数の不動産会社に依頼する
一般売却契約で複数社に頼めば、囲い込みのリスクは減ります。ただし、レインズ登録は義務ではないので、レインズ登録をすることを条件としましょう。
対策2|仲介手数料に注目する
普通より極端に安い仲介手数料を提示された時は要注意です。これは囲い込みの意図があるかもしれません。売主からの手数料を減らしてでも囲い込みで両手利益にする狙いがあるかもしれません。
対策3|レインズの登録証明書を確認する
物件がきちんと登録されているかチェックしてみてください。所在地とかマンションの部屋番号とか、細かいところまで見るといいです。
対策4|不動産サイトで自社の物件情報を確認する
不動産ポータルサイトできちんと掲載されているか、適切な情報が出ているか確認してみてください。
対策5|不動産会社からの業務報告をしっかり聞く
たくさんの問い合わせがあるのに案内が少ないというのは変です。そういう時はしっかり理由を聞いてみましょう。
対策6|信頼できる不動産会社や担当を選ぶ
何より大切なのは、信頼できる不動産会社や担当を選ぶことです。両手取引になる可能性を事前に説明してくれるか、業務報告を分かりやすくしてくれるか、そういうところがポイントになります。
2025年以降の囲い込み規制
2025年1月からレインズの「取引状況」登録・確認の仕組みが強化され、囲い込みに対する規制が入りました。
ただし、これで囲い込みがゼロになったわけではありません。売主自身が、レインズ登録証明書の確認・業務報告のチェック・複数社への相談といった対策を取ることが重要です。
まとめ
- 両手取引自体は悪ではない——問題なのは囲い込みという行為
- 囲い込みは売主の利益を損ねる——早期成約のチャンスを見逃す可能性がある
- レインズ登録証明書を確認する——きちんと登録されているかチェックする
- 信頼できる不動産会社を選ぶ——業務報告を分かりやすくしてくれる会社を選ぶ
不動産会社とよくコミュニケーションを取って、適切に情報公開されているかを確認することが大切です。少しでも不安があれば、遠慮なく担当者に聞いてみてください。
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執筆: アーキ不動産(株式会社アーキ・クリエイト)/ 岡山県知事免許(9)第3595号・岡山県宅地建物取引業協会会員。 記事の内容は公開時点の情報です。税制・法令の適用は個別の状況により異なるため、実行前に専門家へご確認ください。