売却の基本 公開: 2026.11.07
仲介手数料を払いたくない——不動産会社を通さず個人間で売買するときの5つの注意点
近所の方や知人に家を直接売る「個人間売買」は可能です。ただし、境界・建物の状態・土地の履歴・契約書・住宅ローンの5点を押さえないと、後々のトラブルで人間関係まで壊れます。岡山市中区の不動産会社が、仲介手数料の計算とあわせて注意点を整理します。
動画でも解説しています: 仲介手数料を払いたくない!不動産業者を通さず個人で不動産売買するときの注意点/アーキ不動産(岡山市中区)
「近所の方から、うちの土地を買いたいと言われている。不動産会社を通さずに売ってもいいのか」。このご相談は年に10件ほどいただきます。
結論から言うと、個人間売買はできます。名義を変える手続き自体は司法書士に頼めば難しくありません。ただし、注意点がいくつかあり、それを飛ばすと後でトラブルになります。
不動産の売買でいちばん大切なのは、お互いに後々トラブルにならないことです。知り合い同士の取引でもめると、「言った・言わない」で人間関係が壊れてしまうことがあります。この記事では、個人間売買で押さえるべき5つの点をお伝えします。
注意点1|土地の境界を明確にする
「どこからどこまでが私の土地か」。これがはっきりしていないまま売買すると、あとで隣地との間で問題が起きます。
境界標(杭やプレート)があるか、隣地の所有者と境界の認識が一致しているかを確認してください。あいまいな場合は、土地家屋調査士に測量を依頼して境界を確定させます。費用はかかりますが、ここを飛ばした取引は後に高くつきます。
注意点2|建物の状態を双方で確認し、合意しておく
「住んでみたら雨漏りがした」「床が傾いている」。こうした致命的な欠陥は、契約時に買主も了承したうえで取引する必要があります。
意外なのが傾きです。住んでいる人は気づかないことがほとんどで、敏感な方だと1メートルあたり数ミリの傾きでも体調に出ますが、大半の方は数センチの傾きに気づかないまま暮らしています。「傾いているとは知らなかった」と買主が後で気づけばトラブルになります。一級建築士などに建物の状態を見てもらい、分かっていることは書面で伝えるのが安全です。
注意点3|土地の履歴を伝える
その土地が昔どう使われていたか、売主側は知っていても買主は知りません。
- 以前建っていた建物の基礎が残っている
- 井戸があった(埋めてあるが、気にする方もいます)
- 池や沼を埋め立てた土地だった
こうしたことは、「言わなくてもいいだろう」で済ませず、知っている範囲で伝えておくことがトラブルの予防になります。
注意点4|約束事を契約書にまとめる
口約束のまま進めると、「そんな話は聞いていない」で揉めます。引渡しの時期、代金の支払い方法、境界の扱い、建物の欠陥があった場合の責任(契約不適合責任)をどうするか——契約書に残すことが必要です。
インターネットにある契約書のひな型を使うこともできますが、ひな型のままでは個別の事情を反映できず、かえって問題になることがあります。最近は個人間売買の契約書作成だけを代行するサービスも出てきていますので、そうしたものを利用するのも一つの方法です。
注意点5|住宅ローンは厳しくなる
買主が住宅ローンを使う場合、個人間売買はハードルが高くなります。金融機関は融資判断の際、重要事項説明書や売買契約書、物件の調査資料を必ず確認します。不動産会社が関与しない取引では、これらの書類を揃えられないことが多く、審査が通りにくいのが実情です。
買主が現金で購入する場合は問題になりませんが、ローンを使う予定なら、早い段階で金融機関に相談してください。
仲介手数料はいくらか——避けたい気持ちは分かります
不動産会社に仲介を依頼すると、仲介手数料の上限は**売買価格の3%+6万円(税別)**です(400万円超の場合)。たとえば2,000万円の取引なら66万円、消費税を加えて約72万6,000円。これを売主・買主がそれぞれ支払います。
「もう決まっている相手との取引で70万円は払いたくない」というお気持ちは分かります。だからこそ、上の5点を一つずつ自分でクリアできるなら、個人間売買は選択肢になります。逆に、境界が不明、建物が古い、買主がローンを使う——という条件が重なるなら、専門家を間に入れたほうが、結局は安く済むことが多いです。
まとめ
- 個人間売買はできる。ただし名義変更は手続きの一部にすぎない
- 境界・建物の状態・土地の履歴・契約書・住宅ローンの5点を押さえる
- 買主がローンを使うなら、書類が揃わず審査が厳しくなる
- 仲介手数料は3%+6万円(税別)。これを払わずに済ませるなら、同じ手間を自分で引き受けることになる
アーキ不動産では、「相手は決まっているので契約と調査だけ手伝ってほしい」というご依頼にも対応しています。一級建築士が建物の状態を確認し、境界や履歴も含めて双方が納得できる形で契約を整えます。岡山市中区で個人間の取引をお考えの方は、進める前に一度ご相談ください。
執筆: アーキ不動産(株式会社アーキ・クリエイト)/ 岡山県知事免許(9)第3595号・岡山県宅地建物取引業協会会員。 記事の内容は公開時点の情報です。税制・法令の適用は個別の状況により異なるため、実行前に専門家へご確認ください。