離婚 公開: 2026.10.01
離婚と住宅ローン——2つの対処法と知っておくべきリスク
離婚する夫婦の3組に1組が直面する住宅ローンの問題。ペアローンの連帯保証は離婚後も残ります。名義変更・払い続けるそれぞれのリスクと現実的な対処法を岡山市中区の実績から解説します。
動画でも解説しています: 【離婚と住宅ローン】2つの対処法と知っておくべきリスク
「離婚が決まったけれど、住宅ローンが残っている」。岡山市中区でも、このご相談は少なくありません。特にペアローンを組んでいる場合、離婚後も連帯保証の関係が続くため、慎重な対応が必要です。
今日は、離婚時の住宅ローンで取れる2つの対処法と、それぞれのリスクについてお伝えします。
ペアローンは離婚しても責任が残る
ペアローンとは、夫婦がそれぞれ別々の住宅ローンを組み、互いに相手のローンの連帯保証人になる仕組みです。
たとえば4,000万円の物件を、夫が2,000万円・妻が2,000万円ずつ借りて、お互いが保証人になる。住宅購入時には便利な制度ですが、離婚時には大きな問題を引き起こします。
なぜなら、離婚しても連帯保証人としての責任は消えないからです。元配偶者がローンの返済を滞納すれば、もう一方が代わりに返済しなければならなくなります。
対処法1|住み続ける側の名義にローンを変更する
理想的な方法は、住み続ける側の単独名義に変更することです。たとえば妻が家に残る場合、妻の名義に変更して夫を保証人から外します。
ただし、これには金融機関の審査があり、現実には非常に厳しいのが実情です。
たとえば夫婦の年収合計が800万円(夫400万円・妻400万円)で4,000万円のローンを組んでいたとします。離婚時にローン残高が3,600万円だった場合、妻1人の年収400万円では、この3,600万円の借り換えは難しいのです。
一般的に年収400万円の方が借りられる上限額は約2,600万円です。これは年収の35%を返済比率として、返済期間30年で計算した金額です。つまり1,000万円足りないことになります。
親族からの援助などで一括返済できれば別ですが、若い夫婦の場合はローン残高が多く、築年数も浅いため、この方法を取るのは現実的ではありません。
対処法2|離婚後も共同で払い続ける
もう1つの方法は、離婚後も2人で払い続ける方法です。
一見簡単そうに見えますが、実はいくつかのリスクがあります。
まず、住宅ローンは「本人が居住する」ことを前提に低金利で貸し付けられています。借入者が住んでいない状態を金融機関は好みません。契約違反とみなされる可能性もあります。
また、元配偶者がローンの支払いを止めてしまうリスクもあります。ローンの返済期間は10年・20年・30年と長く続きます。その間、確実に払い続けてくれる保証はありません。
さらに、物件を売却する際にも問題が生じます。離婚後も共有名義のままだと、売却時に元配偶者の同意が必要になります。もし連絡が取れなくなれば、売却自体ができなくなる可能性もあるのです。
購入時から考えておくべきこと
こうしたリスクを考えると、住宅購入時から対策を考えておくことが重要です。
たとえば、夫1人の年収でも支払える範囲の物件を選ぶ、妻の名義を入れずに購入する、といった選択肢があります。
ただし、家を購入することには大きな意義もあります。家族に夢を叶える場所であり、子どもに相続させる財産にもなります。夫婦で力を合わせて購入することも、素晴らしい選択です。
離婚を想定して家を買う必要はありません。ただし、万が一の場合の対策を頭の片隅に置いておくことは賢明です。
まとめ
- ペアローンは離婚しても連帯保証の責任が残る——元配偶者の滞納で請求が来る
- 名義変更は審査が厳しい——妻1人の年収では借り換えが難しいケースが多い
- 払い続ける方法もリスクがある——契約違反・滞納・売却時の同意が問題になる
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執筆: アーキ不動産(株式会社アーキ・クリエイト)/ 岡山県知事免許(9)第3595号・岡山県宅地建物取引業協会会員。 記事の内容は公開時点の情報です。税制・法令の適用は個別の状況により異なるため、実行前に専門家へご確認ください。