実家の空き家を相続することになったとき、自分が育ってきただけに、なかなか処分に踏み切れない方もいらっしゃると思いまうs。

しかし、空き家のままにしておくと、維持管理のコストがかかり続けます。

維持管理コストとは、金銭的なコストだけではなく、精神的なコストも含まれます。

この記事では

①実家の空き家の維持管理コストにはどのようなものがあるか?
②それらを削減する方法♪

これらについてお伝えします。

空き家の維持管理コスト

空き家の維持管理コストは大きく分けると、「税金」と「維持管理費用」の2つの経済的コスト、そして精神的なコストがあります。

ここでは、「維持管理コスト」と「精神的コスト」についてお伝えします。

維持管理コスト精神的コスト
①光熱費(水道、電気、ガスなど)①近隣からの苦情
②火災保険料②部外者の侵入(犬、猫なども)
③除草や庭木の剪定費用③放火など犯罪のリスク
④修繕費④災害時の被害や、災害に対するリスク
⑤交通費
⑥清掃
⑦その他(空き家管理サービスなど)

実際にどれくらいの経済的負担が発生するかというと、2014年の「空き家実態調査」(国土交通省)によると、下記のようになっています。

経済的コスト

毎年の維持管理コストはグラフのように大きな幅があります。

とはいえ、毎年かかり続けることに変わりはありません。

1年に10万円としても10年で100万円です。

また、修繕費は毎月かかるわけではありませんが、台風などの災害で被害が発生したときには、誰も住んでいないとしても修繕する必要があります。

なぜなら、老朽化が原因で屋根瓦が飛んだり、外壁が崩れたりして、人やものを傷つけてしまうことがあり得ます。

そうなると、所有者は民法上の「工作物責任」を負うことになります。

場合によっては、多額の損害賠償を請求されることがあります。

精神的コスト

空き家のコストには、経済的コストだけではなく、次のような目に見えないコストもあります。

①近隣からの苦情
②部外者の侵入(犬、猫なども)
③放火など犯罪のリスク
④災害時の被害や、災害に対するリスク

これらが「精神的コスト」と考えられるものです。積み重なると精神的な負担や不安感が大きくなり、日常生活にも影響を及ぼす可能性があります。

空き家管理コスト削減の工夫

経済的コスト削減の工夫

では、経済的コストを削減する工夫を紹介します。

電気代

電気は契約アンペア数を落とせれば基本料金を下げられます。

1年で1万円程度のコスト削減も可能です。

水道代

水道は解約するとコストダウンができます。空き家の掃除などに行くときは、ポリタンクやペットボトルで水を持っていくとよいでしょう。

また、多くの市町村では、水道課などに一時使用の連絡をして、1カ月分の基本料金を支払えば水道を使用できます。

水道を解約すると、年間5,000円程度のコスト削減になります。

火災保険料

火災保険も見直しの対象です。契約している保険会社の担当者に相談してみましょう。

精神的コストを軽減するには

精神的コストを軽くするには、空き家管理サービスの利用がおすすめです。

実家の空き家が近所にある場合は、管理、確認に行くこともできます。

しかし、遠方にある場合は、移動の時間や費用もかかってしまいます。

最近増えている空き家管理サービスは、会社ごとにサービス内容はさまざまです。

例えば、毎月1回の訪問で、外部の目視点検、敷地内のごみ処理、通気や換気、ポストの確認などを行い、写真付きの報告書を送付してくれるサービスがあります

国土交通省の「平成26年空家実態調査」によると、空き家管理サービスを利用している人の利用料は、月に1,000円から10,000円の範囲が70.6%となっているようです。

定期的に人の目で確認することで、外部からの侵入は防げる可能性が高いですし、老朽化のスピードも遅らせることができるでしょう。

例えば、和室であれば、畳を数枚は敷かずに立てかけておく、押入や部屋の建具は開けておく、雨戸も数枚は開けておくなどの対策で、床下や部屋の空気の対流が促進され、結露防止に役立ちます。

活用や売却にむけての準備

想い入れがある実家とはいえ、空き家の状態で何十年も維持するのは負担になるでしょう。

将来的に活用や売却にむけての準備も進めておきましょう。

具体的には、屋内にある家財道具などの処分をすることです。

家庭ごみとして処分すれば、無料や安価な金額で処分できます。

しかし放置しておくと、最終的には業者などに廃棄処分を依頼することになるかもしてません。

そのような場合、多額の費用がかかります。早めの片づけは、将来のコストを抑えることにつながります。