代筆でも認められる

相続放棄は、相続放棄申述書を家庭裁判所に提出して行います。

基本的には自筆ですが、代筆でも認められるケースがあります。

下記のような判例があります。

『相続放棄の申述書には原則として本人の自署を要するが、特段の事情(本人が放棄の手続を他の者に一任し、その者に印章を預けた場合)があるときは本人又は代理人の記名押印のみでも受理される(最判昭29・12・21)。』

ポイントは、本人が相続放棄をする意思があるかどうかということになります。

相続放棄の意思はあるけれども、寝たきりで字が書けないとか、書き方が分からないので誰かに代筆を頼むというようなことは考えられます。

代筆が申述書や解答書から明らかな場合には、裁判所から確認の電話が入ることがあります。本当に本人の意思による相続放棄なのかの確認です。

この場合、本人が裁判所に出頭して本人確認と意思確認を受けられればまったく問題ありません。

出頭が困難な場合は、書記官と個別に相談することになります。

代筆が認められないケース

代筆が認められないのは、認知症のように相続放棄の行為を理解できない申述人のケースです。このような場合は後見人を選任したうえで申述する必要があります。