・借金返済の必要がなくなる
・相続争いから解放される
相続放棄するデメリット
・相続財産すべてを放棄することになる
・相続人間でトラブル発生
・生命保険金や死亡退職金の非課税枠がなくなる
それぞれ解説していきます。
目次
相続放棄するメリット
・借金返済の必要がなくなる
被相続人に借金があった場合、マイナスの財産=借金も相続人間で法定相続分に従って、均等に引き継ぐことになります。
借金の返済が滞っていれば、遅延損害金も一緒に払うことになります。
相続放棄をすれば、債権者から取り立てをされる心配はなくなります。
・相続争いから解放される
相続は親族間で争いを生む種になりかねません。相続放棄をすると相続人ではなくなりますので、相続争いから解放されます。また、遺産分割協議や遺産分割手続きなど煩わしい手続きをする必要もありません。
相続放棄するデメリット
メリットがあればデメリットもあります。相続放棄のデメリットも確認しておきましょう。
・相続財産すべてを放棄することになる
被相続人の財産をすべて手放さなくてはなりません。例えば、被相続人が親である場合、相続放棄をしたら、同居していた家から出なくてはなりません。家電製品など非相続人の所有物であれば勝手に持ち出すことはできません。
・相続人間でトラブル発生
相続人である妻と子供が相続放棄をすると、相続権が故人の親に移ります。親も相続放棄すれば、被相続人の兄弟姉妹に相続権が移ります。被相続人に多額の借金があったとして、親が借金のことを知らず、単純承認をしてしまうと親が借金を抱えることになります。親が相続放棄をすればその借金は次の相続人に受け継がれます。相続放棄で相続権が移る場合は関係者全員に事前に説明しておかないとトラブルに発展する可能性が高いです。
・生命保険金や死亡退職金の非課税枠がなくなる
相続放棄をした人であっても生命保険金や死亡退職金を受け取ることはできます。しかし、非課税枠が適用されなくなってしまいます。
生命保険金や死亡退職金には非課税枠があり、【500万円×法定相続人の数】が非課税となります。
なお、「法定相続人の数」には相続放棄した人も含まれます。
例えば、相続人が長男と次男の2人で、それぞれ生命保険金が3千万円ずつ受け取れる状況で長男が相続放棄をしたと仮定します。このような場合、長男は遺産の一切を受け取ることはできなくなりますが、生命保険金3千万円は受け取ることができます。しかし、生命保険金等の非課税枠は適用されず、3千万円に対して相続税が課税されてしまいます。
相続放棄をしていない次男は、生命保険金等の非課税枠を受けられます。生命保険金等の非課税枠は500万円×2人で1,000万円。3千万円から1千万円を引いた2千万円に対して相続税が課税されます。
また、相続放棄をすると債務控除や相次相続控除などの税額控除も適用されません。借金を引き継ぎたくないと相続放棄をすると、逆に損する可能性があります。相続放棄をする前に、すべての財産(借金含む)を精査しておくことが望ましいです。
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