内縁の妻は証明が大変

遺族年金の対象となる配偶者は、戸籍に記載されている妻のほかに、内縁の妻も含まれます。

しかし、遺族年金が支給されるためには、亡くなった方と現在も関係があることを証明する必要があります。

この生計維持が認められるためには、まず配偶者の共同生計が確立されていなければなりません。

ほとんどの場合、戸籍謄本や住民票などで証明することができますが、内縁の妻の場合は、より困難です。これは、「戸籍上は夫婦でなくても、社会的に認められた意味での夫婦として生活していた」ことを証明しなければならないからです。

住居を共にしていたというだけでは不十分なのです。

請求者の主張に加えて、事実婚を証明する書類や第三者による証明が必要です。

具体的には、扶養家族であることを示す健康保険証、税法上の扶養家族であることを示す源泉徴収票、生命保険証書などが挙げられます。

妻の収入が遺族年金の支給に影響する?

遺族年金は、妻の年収が850万円を超えると支給されません。

しかし、退職などで今後5年間に収入が著しく減少する人には支給されるのが一般的です。

一方、一度受給した後に収入が増えたとしても、結果的に支給が停止されることはない。

内縁の妻と法律上の妻の違い

内縁の妻は、法的に保護され、既婚者と同じ権利・地位を有しますが、夫の財産を受けられないなど、不利益を被ることがあります。夫の死後、不安定な立場に立たされ、生活が複雑化することのないよう、財産関係の対策が必要です。

事実婚の条件は?

事実婚とは、同居はしているが法律上の婚姻はしていない、婚姻に似たパートナーシップのことです。事実婚は、戸籍に正式に入籍した場合と同じ夫婦関係であることが認められれば、法律婚と同じ権利を得ることができます。

内縁関係の証明

内縁関係は、婚姻とは異なり、役所に記録されることはありません。正式に結婚しているカップルとは対照的に、内縁関係を証明するのは難しいかもしれません。

内縁を成立させるためには、同居していることを証明できることが必要です。賃貸契約書に「内縁の妻・夫」と記載する、同じ住所に住民票を登録する、双方の収入・支出が記録された銀行口座を保有する、などの方法があります。また、家族などの証人に内縁関係を裏付ける証言をしてもらうことも有効です。